「何だよ何だよ貼ってやるのに」
「…いい!」
「まだ顔赤いから冷やしとき」
「………」
顔赤いの?うわっ…何の赤みだか知らんが。
しかし、こんなのデコに貼って子供みてえ。
我に返ると恥ずかしい。
恥ずかしいことばかりだな。こいつの前では。
男の面目丸潰れのような…。
「私も明日は学校休むよ。ああなった以上、いつ何が起こるかわからない。明日はずっとそばにいるよ」
そう言って、なずなは自分の持ってきたレモン炭酸水を飲んでいる。
明日…ずっと一緒?
「…これからどうなんの」
…さっきは、なずなが傍で寝ていたことで一瞬頭から消え去っていたが。
先程、俺はこの事件の裏の話、壮絶なカミングアウトを受けたんだった。
俺を度々襲ってきた悪霊は、親父の元愛人で。
しかも、母さんとの婚約中に平行して付き合っていた女の人、とか。
(………)
…いろいろ考えることはあるよ。
親父が母さんを裏切っていたことが許せないとか。
母さんはこの事知っているんだろうかとか。
政略結婚だとは聞いていたけど…愛のない結婚だったのか?とか。



