俺のボディガードは陰陽師。



「その裏では、白肌のお水系ギャルの間でこっそりと流行っていたのは、これ。バブルの時代に流行っていたフューシャーピンク…より、更に青白っぽいピンクの口紅」




そして、その口紅のフタを開けて中を繰り出して見せた。

中には…白っぽいピンクの口紅。

まさに…俺のシャツと顔に付けられた色そのものだ。




「これ、お水ギャルやってた、むーのママから拝借してきた。20年前に陰ながら流行してたんだとさ」



そう言って、の口紅をテーブルの上にそっと置く。

そして、再びタブレットの鹿畑倫子さんの写真を指差す。



「…で、むーのママから聞いてきた。この千鳥格子のコートも、ピンクのミニワンピースも、この白いブーツも。この時代に流行ったもの。そして…」



指差したのは、彼女の爪。



「…この、爪。これも『この人、いつの時代の人?』って思った理由のひとつ」



画面にタッチして、その爪を大きくアップにする。



「これも今は先の丸いオーバルってのが主流なんだけど、この時代はこの角ばった爪…スクエアオフ?スカルプチュアってのが人気だったんだって。…それで、『この時代に生きていた人』にスポットを当てて、水口さんの話とも繋がって、確信できたってワケさ」