「愛を求める女の生き霊。伶士くんの過去にお付き合いした女性なのか?はたまた、橘グループに恨みを持った女性の仕業なのか…?」
更にふふっと笑う菩提さん。
何か…裏キャラ出てる。
「それとも、無差別なのか?…いや、無差別だったら、ここまで伶士くんに固執することはありません。恐らく、伶士くんのことを『知っている』人物です…」
「え…」
俺のことを…知っている?
じゃあ、この鹿畑倫子さんとやらは、俺のことを知っていたっていうのか?!
いつ?どこで…。
「でも…そんな中で、ひとつの手掛かりを、なずなは見つけました」
「なずなが?」
名前が出てきたなずなは、大きく頷いている。
「…まず、私が着目したのは、この口紅の色」
菩提さんが手にしているタブレットを、自分の指で操作する。
スクロールして出てきた写真は…俺の口紅まみれの写真?
青白いピンクの口紅だらけ。
最初の襲撃の被害写真だった。
「この口紅の色が…何か?」
「この色は、現代の流行りの色じゃない。探せば売ってるかもしれないけど、こんな派手な色はこの現代、若い子はもちろん、お姉さんもおばちゃんもおばあちゃんもつけない」



