親父が大きな声をあげたのに、ビックリさせられる。
顔を見ると、目を見開いていて、驚愕しているようだ。
親父、この人のこと…。
まさか…。
「…鹿畑さんは、生涯独身で身内もいません。スナックのママがお世話をしていたようです。…この写真も事情を話してママに許可を頂いて撮影したものです」
「…わざわざホスピスに行ってきたのいうのか」
「はい。治療の経過も聞きました。治療を諦め、麻薬鎮痛剤と精神安定剤を使って療養していたようです。そして、先週の火曜日から意識が無くなり昏睡状態に」
先週の火曜日?
俺が初めて襲われた日だ…。
こんなピッタリハマった偶然、そうそうあるものか。
いったいどういう…。
「そして…先程、16:45に永眠されました」
え…死?
いきなり吹っ掛けられたその真実に、ただ驚くだけだったが。
そこには、俺よりももっとショックを受けているのか、目を見開いたまま青ざめている人物がいた。
「し、死んだ…?」
親父…。
…やはり、この人のことを知ってるのか?



