「ママが?…そうか」
親父の様子がおかしい。ソワソワしている。
何でだ?
…そして、菩提さんがこのホステスの正体を明らかにする。
「…この方は、鹿畑倫子さん、46歳。すすきののとあるスナックのホステスさんでした」
「かばた…りんこ?」
本当に誰?
「え…46歳?」
タブレットの画像を凝視してしまう。
46?…って、親父と同じ歳だろ?
この写真、どう見ても20代半ば…。
「…この写真は、彼女が25の時の写真です。…今はこちら」
そう言って、菩提さんはタブレットの画面をスクロールする。
次に出された写真に、思わず絶句させられてしまった。
「…えっ?」
現れた写真は…ベッドに横たわっていて、寝ている写真。
しかし、緑の酸素マスクや掛け布団から点滴の管が伸びている。
顔も、すっかり痩せこけて、色が悪い。
前出の写真の面影もない。
「…末期ガンのため、市内のホスピスで療養中でした。気付いたらガンは全身に転移していて、原発はどこかわからないぐらいだったそうです」
「が…ガン?!」



