服装も同じ。

先ほど俺の前に現れた時と、全く一緒。

千鳥格子のコートに、ピンクのミニワンピース、厚底ヒールの白いブーツ。



バーかスナックでの写真なのか。

カウンターの中にいて、ワイングラスを持ってカメラ目線の写真だ。

ホステスさんなんだろうか。


しかし、そのグラスを持っている指。

爪が…ピンクで、長めの角ばった形をした魔女のような爪。

あの、バケモノの手の爪と同じ。




まさしく、あの…バケモノへと化した女性だ。



この人…この人が。




《私と一緒じゃなきゃ嫌よ!》

《あなたしか見てないのよ!》




俺を襲い続けた悪霊…?

この人が…。



当たり前に面識がない。

こんなホステスさんの知り合い、いないし。

それに…この写真、何か写りが荒いな。

昔の写真みたいな。




なぜ…この人が。




…だが、その写真を見て、開いた口が塞がっていない人が一人。




「な、何で…この写真が…?」




親父…?




「…この写真は聞き込みをした方から拝借致しました。彼女の働いていたスナックのママです」