そういえば…!
気付いた時にはもう遅い。
「…え?…ええぇぇっ!」
美森のマヌケな裏返った声が響いた。
その声のとおり、驚愕のあまりとてもヒドイ顔になっている。
「な、何で…?」
しまった…。
「…何で、なずぽよがサッカー部の試合見に来てんのおぉぉっ?!」
「だろ?だろ?」
「誰を見に来てんだろ…」
忠晴の隣には…いる。
本日もヘアメイクがバッチリの上、ギャルファッションという私服を纏った。
ヤツが…。
なずながいる…。
昨日は疲労で自宅待機をしていたなずなだが。
本日は回復。
一応、24時間警護中なので。
本日、来た。
忠晴と一緒に、来てしまった。
…来んな!
とは、先日から続くバケモノ襲撃の件があるから強くは言えず。
『きゃー!頑張ってぇー!…って、黄色い声で応援しちゃっか?』
『いらない!忠晴の横で黙って静かに見てろ!』
『わかったわかった。あんまりムキになるなって!あははは!』
いつものごとく、イジってきて一人で勝手に爆笑してくる。
しかし、その後に『サッカー見んの初めてだ』と呟いていた。



