俺のボディガードは陰陽師。




そうして、試合会場である高校グラウンドに到着。

少しばかりの待機をしてから、試合時間が近付き、ベンチ入りをした。



…その時のことだった。



(…あれ)



ベンチでは荷物の設置やらで慌ただしくしている最中。

颯太やチカを含めた一年部員らが集まって、観客席を見ながらざわざわしている。

何…?



「…むっ!動かないで何やってんのもー!」



美森もそんな連中を発見し、注意するためか「こらー!」と言いながら、みんなの方へと赴く。

俺も何となく後を着いていった。



「開始時間近いんだよ働けー!先輩に怒られるよー!」

「…おっ。美森」

「なに観客席見てんのさー!水口先輩と伶士のファンばっかであんたらのファンなんていないっつーの!」

「いやいや。ファンどうこうの問題じゃなくて…」

颯太が観客席をそっと指差す。



その指先が差していたのは…。

…あ。あぁ…。



一人のとあるおじいさん。

チェックのシャツにチノパンに。

なぜかナイロンのポケットいっぱいついたベストを着た、帽子に眼鏡のおじいさん。

首に一眼レフがぶら下がっている。