俺のボディガードは陰陽師。



『伶士は親父さんの会社継ぐのか?』

『………』



その質問には、一瞬言葉が詰まる。

しかし、それを飲み込んで返答した。



『…親父はたぶん兄貴を跡取りにするよ。長男だし…』

『え?そうなの?』

『そういうもんだ。…それより、なずなは運動神経って元々いいのか?』

『…え?何で。スポーツやったことない』

『学校でバケモノと闘ってた時、すごい瞬発力だったけど』

『あー…。ま、運動神経はそこそこ。でもバトルってる時は、神経集中させるのさ。すると、霊力って体内で凝縮されて神経に伝わるからおのずと運動神経がアップする』

『へぇ…その辺のメカニズムは難しいな』

『そう?陰陽師メカニズム』

『じゃあ、あの衝立みたいなピンクのガラスの…魔法陣みたいなのは何なの?』

『あぁ、あれは蓮華曼陀羅陣って言って、結界なんだけど…まあ、霊気の盾?みたいな感じで私は使ってる』

『霊気の盾…』

『うちの一族で代々伝わってる術だから、同じ陰陽師でも今は私にしか使えない』

『ふーん。そんなのある?陰陽師にも分家とかあるんだ』

『あるある。いっぱいあるぞ?中でもウチの一族はかなり特殊な立場なんだけど…』

『へぇー』