『じゃあ中学で部活とかやってなかったのか?』
その質問に、首を縦に頷く。
『だって、小学生ん時から陰陽師やってんもん。スポーツやる暇ねえよ』
『…え?そんな小さい頃から?』
『正確には小学生ん時はほぼ修行。小三から小五まで親元離れて総本山で修行してた』
『えっ?!…学校は?!』
『総本山の中にあるんだ。総本山小学校。午前中は普通の授業やって、午後から修行』
『へぇ…総本山』
『京都にある』
『京都?!』
驚いた。
小学生で親元離れて修行するなんて。
『書道の時間に霊符書く練習するんだよ。これ何時間も書く練習させられるんだ』
そう言って、ポケットから取り出したお札を見せてくれる。
これ、自分で毛筆で書くのか?
『へぇ…。何で陰陽師になろうと思ったんだ?』
『それは、親父が陰陽師だし。親父の家系は代々陰陽師なんだ。私は一人っ子だからそりゃなるしかないだろ』
親父も陰陽師なのか。
家業を継ぐ感じか。
家業…か。



