でも、年頃の男と女がひとつの部屋で寝るという事実は事実だ。

こんなこと、あっていいのか…!



『てなわけで伶士。もう寝ろ。警護は任せろ!』

『………』



呆然とする。

でも、そんな俺には構わず、なずなはすでに寝袋に入っていた。

ダウン生地で、頭まですっぽりとカバーされた顔だけ出てるタイプの寝袋。

なぜマミー型?

今は9月。極寒の時期じゃねえぞ。

ミノムシみたいだ。



『どうした!寝ないのか!明日は大事な試合があるんだろ?!』

『…それ、暑くね?』

『暑かったら出る!』

『………』



その寝袋に入ったまま、ミノムシ状態で偉そうな口調でしゃべるな。

笑っていいのか何なのか不明だろが。



とりあえず、電気を消す。



しかし。

眠れない…。



…気になって気になって眠れない!



床下のミノムシ…いやいや、寝袋で寝ているなずなが気になって、眠れない…。

だって、仮にも年頃の男女が布団を並べて寝てるんだぞ?

ベッドとミノムシ寝袋だが。



(くそっ…)



こんな夜更けに男女が同じ部屋で二人きり。

相手がこのギャルとはいえ。



いろいろ意識せずにはいられない…!