俺のボディガードは陰陽師。


耳障りな金切り声をあげて、いつの間にか起き上がっていた女性。

叫び声をあげながら、鈴代なずなに飛び掛かる。

そのスピードは、もはや人間ではない。

まるで動物のような俊敏さだ。



しかし、女性の手が鈴代にかかるその寸前で。

二人の間にはまたあのピンクの魔法陣ガラスが現れ、電気のショート音を立てながら女性を吹っ飛ばした。

女性は再度、地に叩き付けられている。



「…サシで勝負しようじゃねえの!」



今度は鈴代なずなが、女性に飛び掛かる。

女性の抵抗を簡単に振り払って、転がっている女性の上に乗っかり、あっという間にマウントポジションを取っていた。

腹の上にどっかりと座り込んでいる。



《…どいて!…どいて!》

逃れようと、金切り声をあげながら女性は手足をバタつかせてもがく。

しかし、鈴代から逃れられてない。

「物理攻撃を簡単に回避できない。こーれーが実体化の弱点、だよな?…この、生き霊のくせにパー女ぁっ!」

そして、そのまま指を二本立てた右手を天にかざす。




「ナウマク・サンマンダ・ボダナン…アロリキャ・ソワカ」