あんな俺様だの何だの言われておいて、こっちが頭を下げなきゃいけないなんて。
でも、俺のしたことも言語道断だ。
あっちは謝ってきたし。
今は6:4で俺の方が分が悪い。
ソファーに深く座り込んで、ため息をつく。
そんなことをしているうちに、鈴代なずなが戻ってきた。
「お風呂いただきましたーっ!」
…戦時中か。てめえは。
家に風呂の無いファミリーが、風呂のある御宅の風呂を借りにくる設定か?
ふざけやがって。
しかし、そんなふざけたヤツ相手でも謝らなければならないのか。
ああぁぁ…。
「忠晴さん、忠晴さん!喉が乾いたんだけど、なんか炭酸飲料ない?」
「ありますよ?…おや」
でも、後悔していることには変わりない。
様子を伺うつもりで、ヤツの方をチラッと見る。
ヤツなキッチンにいる忠晴のもとへ行き、冷蔵庫を開けてもらっている。
忠晴からペットボトルを受け取って、早速蓋を開けていた。
その表情を伺うが…。
(…ん?)
…何だか様子がおかしい。
違和感がある。



