……秘密があります

 そんなこんなで日取りを伝える都合もあって、羽未は窓越しに士郎と話していた。

「シロさん、ごめん。
 この間の駄菓子、ほとんど私が食べちゃった」

 そう白状すると、なんだか元気のない士郎は、
「そうか。
 いや、気に入ってくれたのならよかった」
と呟くように言う。

 いやいや、なにも気にいってはないんですが。
 ああいうときは、味もなにも感じないからな……。

 あと、まずい方がむしろ、自分への試練と言う感じがしていい。

 などと思っている羽未に、

「羽未……」
と士郎が呼びかけてきた。