「……じゃあ、昨日のこと、全然覚えてないの……?」

「うん……。1軒目で美味しいハンバーグのお店にみんなで行ったの。その後2軒目に移動する時に、グループの子がサークルの先輩も呼んでいいかって訊くから、みんないいよって言って…それで、知らない男の人とか女の人とか来て……」

そうかそれで………見たことない男の人達がいたのか………。

「それで、居酒屋に行ったんだけど、みんなお酒頼むから、私もどんなものなのか気になって、お酒頼んで飲んで………それからの記憶も、ちょっと曖昧…ガッキーが、何回か私を呼ぶのが聞こえたけど……」

……本当に、1杯のカシオレであんなに酔ったのか………。


「ごめんね、宗ちゃん、よく覚えてないんだけど……迷惑掛けちゃって…。きっとガッキーにも迷惑掛けちゃったんだよね、ごめんねってLINEしなきゃ……」

そう言って立ち上がると、ベッド横に置いた彼女のリュックのある方へ向かって行った。


「……っはあ〜…」

彼女の姿が見えなくなると、僕は頭をがしがしと掻いた。


何だ………よく解んないけど………いろいろとショックを受けた。

やはり昨日、居酒屋で知らない男の人達とも一緒にいたこと、帰るまでの記憶すらなかったこと、そして、あんなことをしたのも覚えてないこと………

僕は昨日、かつてないほど胸も頭もおかしくなりそうだったし、本当に、危なかったのに………