「…………で、動物園?
女子高生二人と中年オヤジ二人連れて。
…………これって、何かの罰ゲームなのか??」

盛り上がる澤先生とクマさん。

その横を、ソフトクリーム片手に腕を絡める和花と藤堂。

どう見てもパパ活中の四人組だ。

ブツブツ言いながら

誠と二人で並んで歩く俺達も………。

生徒達が見たら

『やっぱりあの二人って………』

『どっちが告白したのかなぁ?』なんて

要らぬ噂を流されそうだが…………。

「和花も夏生も楽しそうだし。
オッサン二人もご機嫌なんだから。
深く考えないの!
このメンバーだと流石にマズイだろうと
寂れた動物園にしたのに………
意外に良いねぇ~。
なんだか懐かしくて。」

確かに。

小さい頃、和花を連れて行っていたのを思い出す。

水色のワンピースを着て、麦わら帽子を被った和花を

肩車で回っていたら…………

「ねぇ、祥太兄ちゃん。
懐かしいね!
昔、肩車してもらってて
キリンに餌をあげようとして背伸びしたら
バランス崩して帽子が落ちちゃったんだよね?」と

俺と同じ思い出を語り始めた。

……………………そうなんだよなぁ。

キスをしたって。

たとえ、恋人同士になったって。

俺には一生………

和花との思い出がついて回る。



楽しかった思い出。



幸せだった日々。