「俺とぶつかった時に落としたんだろうね。落としたことを言ったんだけど、逃げられちゃったからさ」
「....すいません」
やっぱりあの時に落としたんだ。
走ってる時に聞こえたあの声はきっと水上さんの声で生徒手帳のことを言ってくれていたんだろう。
なのに私はそのことを聞かずに走り去ってしまった。
あの時ちゃんと水上さんの声を聞けていたら今日1日心配することはなかったのに。
「住所も学校名も分かったから家に行ってもよかったんだけど、ここに探しに来てるかもと思ってきて大正解だよ」
いやいや家に来てたら大騒動になってたよ。
こんな有名な人が来たら近所がざわめくどころじゃないと思う。
お店が大騒ぎになってしまうから。



