【完】魔法がとける前に~私が出会ったのは国民的スター!?~




「わざわざありがとうございます!水上さんが拾ってくださったんですか?」



自分のもとに返ってきて本当に嬉しい。



半ば諦めかけて心が折れそうになっていたから。



「君、昨日俺とぶつかった差し入れの子でしょ?」



「....気づいてたんですか?」



あの一瞬の出来事を覚えていたの?



芸能人の水上さんにとったら何ともないことだと思うのに。



「もちろんだよ。あの場所に制服で来る子なんてそうそういないし、女の子に逃げられたのは初めてだったし」



うっ....、確かに。



あの時はどうしようもなくて言い逃げみたいな感じになっちゃった。



だってあの空間にいられるほどの度胸がなかった。



あれほど眩しいキラキラした空間に。