そのオープンの1年後、俊輔が生まれた。
家族が増えてより一層頑張らないとって両親ははりきっていた。
そして店は人気になり、2人の毎日はどんどん忙しくなっていった。
2人は空いた時間を見つけて俊輔の世話をしてくれていたけど、俊輔に構っていられる時間も徐々になくなっていった。
そのことが幼い俊輔にも分かったのか、このころの俊輔はよく泣いていた。
両親が自分に構ってくれる時間が少なくなったのを感じたからなんだろうね。
当時10歳で小学4年生だった私は悟った。
きっとこの子の親代わりに育てていくのは私の役目だと。
100%両親の代わりになることは無理だけど、少しでも寂しさをうめて幸せな人生を送らせてあげたい、と。



