「子どもが親を気遣うもんじゃないの。私達のことは心配しなくていいから」



「はーい」



お母さんはそう言うけど、親を心配するのは子どもの務めでしょ?



だって両親がいなきゃ子どもは生まれてくることはできなかったわけだし。



「さぁて、俊輔、美百合帰ろっか。お腹空いたでしょ?」



店内の端っこでお饅頭を食べてる2人に声をかけた。



2人が大好きなお父さんの手作りお饅頭だ。



中に甘いあんこが入ってる私も大好きなお饅頭で昔からよく作ってくれてた。



私の場合、泣きだしたらそれを与えると泣き止んだらしい。



それくらいおいしいってこと。



2人だけでいると俊輔がお兄ちゃんなんだって思う。



お兄さんの自覚が出てきたのかな。