「えっ、さっき水上颯真こっち見なかった!?見たよね?」
近くにいる女の子達は騒いでる。
私の勘違いかもしれない、見間違いかもしれない。
ただほんの一瞬、彼と目が合ったような気がした。
時間にすれば、ほんの数秒。
だけど私にはその瞬間がスローモーションに感じられた。
しっかりと彼の綺麗な透き通るような瞳を見た。
まるで吸い込まれそうなくらいに綺麗な瞳。
「一旦、撮影は終了となります。また移動して撮影となりますのでよろしくおねがいしまーす。見学の皆さんはこれまでとなりますのでお帰りください」
スタッフさんの声を聞いて見学に来ていた人達はぞろぞろと帰っていく。
「あたし達も帰ろっか」
静流と来た道を一緒に戻る。



