会いたかった水上さんは私の前に来て、ぎゅっと抱きしめた。
ずっとほしかった温もり....。
「遅くなってごめん。ようやく迎えに来れた....」
何年ぶりだろうか、こんな近くで水上さんの声を聞くのは。
「覚えていて...くれたんですか?」
「忘れるわけないよ。この9年間、詩織ちゃんを迎えに行くことだけを考えて、仕事を頑張ってきたんだ」
その言葉を聞いてさらに涙は溢れだす。
ずっと私のことを想ってくれていたの....?
「詩織ちゃんの方こそ、彼氏とか作ってないよね?」
「...私だってあの言葉を忘れたことはありません。水上さん以上に好きな人なんていません...!」