その時、コツコツと階段を下りる足音が聞こえてきた。
「...俊輔?」
そう思って振り向くと.....
「.........!!」
体が硬直した。
小さい顔、スラっと長い手足に、抜群のスタイル。
.....分からないわけない。
だってこの9年間、忘れたことなんてないんだもん。
ずっと彼のことだけを想い続けてきた。
「...ど....し...て....?」
やっと口から出た言葉は途切れ途切れで伝わっているのかも分からない。
私の目の前にいる人物はずっと、会いたくてたまらなかった人....。
「どうしてって....迎えに行くって言ったでしょ」
無意識のうちに涙がこぼれた。



