「今の俺には情けないけど、君を守れるだけの力がない。だから、今は君を手放すことしかできない」
「だけど、必ず...君を守れるだけの男になって迎えに行くから。俺のわがままかもしれないけど、その時まで信じて待っていてほしい」
そう言いきってくれた水上さんの想いが胸に刺さって苦しくなった。
「....私は水上さんの言葉を疑ったことはありません」
「....ありがとう。必ず迎えにくよ」
その言葉を最後に私と水上さんの通話は終わった。
それと同時に私の初恋で一生に一度の恋は終わりを告げたのだと。
短い時間だったけど、庶民の私が芸能人の彼に恋をして一緒に過ごした。
片手でもう鳴らないスマホを握りしめながら、静かに涙がこぼれた。