もしかして同級生だったりする?
「.....颯真か?」
どうやらこの人も水上さんのことを知っているみたい。
やっぱり知り合いなのかな?
「....詩織ちゃん、行こう」
水上さんは私の手を掴んで、さっさと歩き出してしまった。
「颯真!....待てよ!」
ぶつかった男性が叫んでいるのに、水上さんは止まる気配がない。
きっと知り合いなんだよね?
無視して歩き出してしまっていいの?
「水上さん、いいんですか?向こうの方が...」
「いいんだ。気にしないで」
これ以上、詮索してくれるなと言われているようで私は何も言えなかった。
彼の手が微かに震えていたのに気づいたから。



