【完】魔法がとける前に~私が出会ったのは国民的スター!?~




もしかして同級生だったりする?



「.....颯真か?」



どうやらこの人も水上さんのことを知っているみたい。



やっぱり知り合いなのかな?



「....詩織ちゃん、行こう」



水上さんは私の手を掴んで、さっさと歩き出してしまった。



「颯真!....待てよ!」



ぶつかった男性が叫んでいるのに、水上さんは止まる気配がない。



きっと知り合いなんだよね?



無視して歩き出してしまっていいの?



「水上さん、いいんですか?向こうの方が...」



「いいんだ。気にしないで」



これ以上、詮索してくれるなと言われているようで私は何も言えなかった。



彼の手が微かに震えていたのに気づいたから。