水上さんの隣を当たり前のように、歩けている今が何より幸せで。



本当に長くいい夢を見ているような気分。



いつこの夢から醒めたっておかしくない。



わがままかもしれないけど、この幸せを手放したくない。



ルンルンで歩いているせいで前から歩いてきた人とぶつかってしまった。



「...わぁ!?」



正面からぶつかったせいで、おもいっきり尻もちをついてしまった。



「イタタタタ....」



「詩織ちゃん、大丈夫?」



「これくらい平気です。私がちゃんと前を見ていなかったから....」



お尻をさすりながら立ち上がる。



「俺の方こそすいません。大丈夫ですか?」



声をかけてきたのは私がぶつかった人だと思われる。