「父さんとは中学生の時から付き合っていたの。高校生になっても交際は続いていたわ。



高校生だった私はまさか身ごもってるなんて思わなくて、当時は全然気づかなかった。だけど運動をしている最中に倒れて気づいたの。妊娠してるんだって。



最初はこの年齢でどうしようって戸惑った部分もあった。けど私はすごく嬉しかったわ。私をお母さんにしてくれる子どもができたんだって。



周囲からはもちろん反対されたし、揶揄されたりした。けど私の両親だけはずっと支えてくれていたの。



私が産むという決意をした時も賛成してくれて、出産の時も近くで見守ってくれていた。そのおかげで詩織を無事に産むことができた。



詩織が産まれた時は本当に嬉しかった。私がお腹を痛めて産んだ正真正銘の子どもなんだって思って。



年齢が若いからリスクのある出産だったけど、あなたが無事に生まれてきてくれたことが嬉しかった。きっと神様からの大切な贈り物だと思ったわ。



それからはお母さん達の支えを受けながらあなたを育てたの。



これが詩織が知りたがっていた真実よ」