「今日、ちょうど配られたものだよ。進路は自分で決めるからお母さん達は心配しないで」
どんどん自分が不利になっていくこの空気感をどうにかしたい。
「.....詩織、そこに座りなさい」
今まで口を開かなかったお父さんが話した。
この空気感のお父さんに逆らうことはできない。
「はい....」
準備していた手をとめ、椅子に座った。
私の向かい側にはお父さんとお母さんが座っている。
私はこの圧迫されたような空気感が苦手だ。
本当のことを言わないと自分の首がどんどん閉まっていく気がして。
本音を言いたくないのに、言わないと許されないような感じがする。
いつもは優しいお父さんだけど、威厳を出すと絶対に逆らえない。



