「音楽大学は?」
「え?」
静流が放った言葉が一瞬、理解できなかった。
「バイオリンはもういいの?」
「............」
その問いかけに私は答えることができなかった。
ずっと胸に刺さっている小さなとげがチクりと痛んだ気がした。
そんな時だった、私の携帯が鳴ったのは。
この着信音は電話だ。
学校にいる時間にかかってくるなんて珍しい。
スマホを見ると美百合の通っている幼稚園からだった。
もしかして何かあったのかな!?
まだ出てもないのに一気に心配になってきた。
「はい、もしもし。玉城です」
「玉城さん、美百合ちゃんの担任の木口と申します。今、お時間よろしいですか?」



