大切な人は亡くなってしまって、聞きたくても聞けない。
ずっと負のループの中でもがいてた。
今日、水上さんが一歩でも進めたのならよかった。
水上さんが流した涙が大きな一歩を歩みだしたという証。
「君とは初めて会うね。挨拶が遅れました。水上颯真の父・水上卓人です」
「は、初めまして。玉城詩織と申します!」
いきなりだったからドギマギしてしまった。
「そんなに緊張しなくて大丈夫だよ。颯真がここに来ることができたのは君のおかげなんだろう。俺からも礼を言うよ。ありがとう、詩織さん」
「頭を上げてください!私はそんな大したことはしてないですし、全ては水上さん自身が決めたことですから」
私が特に何かしたというわけじゃない。



