「父さん...ずっと来れなくてごめん。俺、怖くて逃げていたんだ」
「気にするな。お前が来れるようになっただけでも十分だ。母さんに会えたか?」
「....うん、会えたよ。母さんに会えた」
死者と繋がれる場所だからこそ、会える人がいる。
そのことが時に、生きている人の運命を変える。
「....そうか。じゃあ母さんの想いも伝わったはずだな」
「ここに来て初めて分かった気がする」
「颯真、これだけは言っておくぞ。前から言っているが、お前が仕事を選んで母さんを看取れなかったこと、俺も母さんも恨んでいない」
「......!!」
その言葉を聞いた途端、水上さんの目から綺麗な涙がこぼれた。



