水上さんの運転する車に乗せてもらい、20分くらい走ったところで止まった。
自然豊かな中にある広大な墓地。
少し丘になっているところに作られていて、見晴らしがいい場所。
こんな素敵なところにお墓が作られたなんて、水上さんのお母さんは幸せだね。
「....詩織ちゃん」
「はい?」
「手、繋いでもいい?」
びっくりしたけど、水上さんの顔を見て理解した。
あのいつも余裕で笑顔の水上さんが緊張の表情をしている。
「もちろんです」
繋がれた右手はとても温かくなった。
手を繋いでいるだけで水上さんの緊張が伝わってくる感じがする。
私も人のお墓に来たことはないから、少しだけ緊張する。