受け入れているとはいえ、亡くなった人のことを話すのは辛いはず。
けれどここで止めてと言うのは違うと思った。
「だけどその時、俳優に転向して間もない頃で初めて連続ドラマのレギュラーに選ばれて、すぐにドラマの撮影が始まった。
俺の仕事を休んでまで帰るっていう決意はあっけなく崩れ去った。本当に母を想っている子どもなら、仕事と家族を天秤にかけたりしない。
だけど俺は仕事と家族を天秤にかけて、仕事を選んだ。母を捨てたんだ。そして母さんは亡くなった。
俺はずっと応援してくれていた母さんより仕事を選んで、最期を看取ることをしなかった、最低な息子さ」
「水上さん....」
機械のように乾いた笑いをする水上さんの姿に胸が痛い。



