【完】魔法がとける前に~私が出会ったのは国民的スター!?~




「母さんは優しい人だったよ。病弱でいつも入院していたけど、笑顔を絶やさなかった。俺の脳裏には笑顔の母さんが焼き付いているんだ」



自分も苦しいのに、息子の水上さんのことを想って笑顔だったんだろう。



子どもには心配をかけさせたくなかったから。



私はまだ母親じゃないからはっきりとは分からないけど、美百合や俊輔に心配をかけさせたくないって思う。



たとえ自分が苦しくても小さい子にはその姿を見せて心配かけたくないよね。



「それに誰より俺が芸能の道に進むことを応援してくれてた。俺が売れるように病室から願ってくれていたよ」



「きっとお母さんにとって水上さんは宝物だったんですね」



神様がくれた最高の贈り物。



美百合が生まれた時にお母さんがそう言っていたのを思い出した。