「その人はどうしても俺に入ってほしかったみたい。だからショーに連れていってくれて俺は思惑通り芸能の世界に魅せられて入ることを決めたってわけ。今となっては感謝してるけどね」
スカウトした人は賢い人だったんだね。
興味がない人に芸能界の魅力を伝えて入らせるなんて、普通の人にはできないよ。
「ちなみに俺をスカウトした人はもっちゃんだよ」
「...えぇ!?」
あまりにもサラッと言うから聞き逃してしまうところだった。
「あの水上さんのマネージャーの方ですよね?」
高架下で会ったスーツが似合っていてスタイル抜群なあの方だよね?
「そう。俺を発見してくれた恩人。もっちゃんが初めて自らスカウトして担当したのが俺だったんだって」
そうだったんだ...。
確かに元木さんならかなり見る目はありそう。