今頃は家族水入らずの時間を過ごしているだろう。
4人だけの時間を大切にしてあげたいから。
私には4人だけの時間を邪魔する権利なんてないから。
いつものようにオートロックの鍵を解除してもらい、マンションの中に入りエレベーターに乗り込む。
何回来ても慣れないなぁ、この雰囲気は。
こんなに次元の違う豪華なところ、私には似合わないもん。
玄関のチャイムを押した。
するとインターホンからはーいと水上さんの声がした。
「こんにちは。玉城です」
たぶん水上さんからは私の姿は見えているんだろう。
「開けたから入っておいで」
そう言われたので扉をガチャっと引いた。