【完】魔法がとける前に~私が出会ったのは国民的スター!?~




「ずっと泣けなかったんでしょ。俺しかいないから思う存分泣きな」



どうしてこの人にはこんなにバレているの。



私がひた隠しにしてきたことも、どうして見抜かれてしまうの。



「...すいま...せん....」



そう謝るけど、涙は全然とまるそぶりがない。



「気にしないでいいから」



ずっと水上さんは頭を撫でてくれていた。



本当はずっと泣けなかった。



いつの間にか涙を流している時間すらなくなってしまったから。



私が泣いていたら両親が心配すると気づいてからは泣くのを我慢し始めた。



2人の世話で手いっぱいの両親にこれ以上の負担を増やしたくなくて。



辛くて苦しくて泣いたって何が解決するわけでもないから。