【完】魔法がとける前に~私が出会ったのは国民的スター!?~




時が来たら2人は自然と離れていくはずだから。



私の手から飛び出して、外の世界へと羽ばたいていく。



「きっと大丈夫さ。頑張りって人に必ず伝わるから」



そう言われた瞬間、無意識のうちに涙が頬を伝っていた。



「あれ...私、泣いて....」



自分でもなぜ泣いているのか分からなくて困惑する。



涙が込み上げてくる感じもなかったのに、どうしていきなり泣いてるの。



とめたいと思うのに、全然とまってくれないの。



「気にすることない。好きなだけ泣けばいいから」



頭にポンと置かれた水上さんの手が温かくて、自然と涙がさらに溢れてきた。



私の涙なんて心の奥にしまったはずなのに。



いつの間に鍵が開いてしまったんだろう。