【完】魔法がとける前に~私が出会ったのは国民的スター!?~




「おねえちゃん!」



教室を出ようとすると、席に座っていた俊輔が小走りで私のもとへやってきた。



「俊輔!授業、お疲れ様」



「見てくれた!?僕、発表したんだよ!」



「もちろん見てたよ。すっごいカッコよかったよ」



そう言って頭を撫でると満面の笑みを浮かべた。



俊輔はちゃんと手を挙げて発表していた。



こんな授業風景、懐かしい。



高校生になってから手を挙げるなんてこともうしなくなった。



大体、数字で容赦なく当てられるからね。



たとえばその日の日付の出席番号の子の場合、必ず当たる。



だから自分の出席番号の日は念入りに課題をチェックする。



大体、課題の答え合わせで当たることが多いから。