「すいません。緊張しちゃって....」
「そんなに緊張しなくて大丈夫だよ。電話くれてありがとね。で、何か用だった?」
こんなに近くに水上さんの声を感じられるなんて。
「あの、特別用があったわけじゃないんですけど.....」
何か勢いで電話をしてしまったけど、特に用があったわけじゃない。
忙しい人に何の用もないのに気軽に電話とかしちゃ駄目だった?
もう少し考えてから連絡すればよかったと後悔した。
「全然大丈夫だよ。俺が教えたんだから気にしないで」
「水上さん、今お忙しいですか?」
「時間は大丈夫。俺も今日はもう仕事が終わったから暇してたところ」
水上さんはそう言ったけど、本当は台本読みとかで忙しいんだろうなって思う。



