「この日はどうしてもお店が忙しいの。お母さんの代わりに私じゃ駄目かな?」
お母さんの代わりにはなれないけど、行ってあげたいんだ。
「...ううん。おねえちゃんが来てくれるなら嬉しい」
「...ありがとう、俊輔。当日は私が行くからね」
そう言って俊輔を抱きしめた。
この子達の母親は1人しかいない。
私は母親でも何でもなくて、ただの姉でしかない。
きっとこの子達の寂しさを埋めてあげられるのは両親だけ。
私ではどう頑張っても限界がある。
「....おねえちゃん?」
急に抱きしめた私を不思議そうに呼んだ。
「ごめんね....」
聞こえるか聞こえないくらいの小さな声でつぶやいた。



