鞄の中から筆箱を探しマジックペンを取り出す。
「これでいいですか?」
と聞きながら水上さんにマジックペンを渡した。
「ありがとう。じゃあ手を出して」
戸惑いながらも手を出した。
これから一体、何が行われるの?
そんな恐怖をどことなく感じて手が少しだけ震えた。
何をするのか彼の動きを見ていたら
「......え!?」
私が貸したマジックペンで私の差し出した手に何かを書きだしたんだ。
あの水上さんに手を握られているということを自覚すると、手が勝手に熱くなった。
気を緩めてしまえば手の震えがさらに大きくなってしまいそうで。
水上さんが真剣に何かを書いているからなるべく動かないように気をつけた。



