１駅っていうのは早いものであっという間。
「俺達はここで降りるな」
「はい！お疲れさまでした」
「今日はありがとう、妃菜。また明日ね」
「今日はありがとうございました。ゆっくり休んでください」
軽くお辞儀をすると扉がプシューっと音をたてて閉まった。
電車がゆっくりと動き始めた。
私は２人の姿が見えなくなるまでホームを見つめていた。
まだ満員電車で２人がいなくなって、苦しくなったけど心は温かい。
いつも１人で帰っていることが多いから誰かと一緒に帰れることは嬉しい。
沙理ちゃんはほぼ毎日部活があるから、一緒に帰れないことが多い。
１人には慣れたつもりだけど、誰かと一緒に話しながら帰れるのは嬉しいし温かい気持ちになる。
