「2人が生きている世界って、お金持ちの世界ってことですか?」
「一般的に言えばそうだね。小さい頃から色んな大人と出会う。同世代の人達より自分より遥かに年上の大人達と話す世界なんだ」
眩しいくらいキラキラしているのに、どこか影がある翔和の姿。
一線を引かれてるような状態。
私からは決して超えられない一線の壁。
たぶん翔和からその一線を解いてくれない限り、私は踏み込むことができない。
「だからいつのまにか覚えるんだ。自分の置かれている立場を。色んな大人に出会って話していくからたくさんの瞳を見る。そして瞳を見たら人間性が分かるようになる」
淡々と語っているそのことが彼の生きてきた世界でこれからも生きていく世界。



