「それにしても、翔和と祥悟と歩いて帰る日が来るなんて思いませんでした」
無理やりだったかもしれないけど、話を変えた。
「僕もそうだよ。まさか妃菜とこうして帰れる日が来るなんて」
「翔和はどうして、私を選んだんですか?」
「あの日、妃菜とぶつかって思ったんだ。この子の瞳なら信じられるって」
「.....私の瞳?」
その時、まっすぐに翔和と私の瞳が交差した。
心臓が大きく動いたのを感じた。
「そう。純粋で綺麗な凛とした瞳。僕は一瞬で惹かれたよ」
「そんな大げさに褒められるほどの瞳をしていますか....?」
自分でも鏡で見ることはあるけど、綺麗な瞳なんて思ったことはない。



