【完】王子様と呼ばれる彼は中身も完璧に王子様だった件




主従関係だけど、2人には確かな絆がある。



「ありがとう、妃菜」



そう言って今まで笑った姿を見たことがない祥悟が笑っていた。



「....笑った」



いつも真顔のクールな表情をしているのに。



「俺だって笑うさ」



「でも、私が知る限り笑った姿なんて、見たことないですけど....」



「そんな大勢の前ではむやみには笑わないさ。第一側近の俺がずっと笑顔でもおかしいだろ」



「確かに。しょ、祥悟がずっと笑顔だとそれはそれで怖いですね....」



やっぱり呼び捨ては慣れないよ。



今まで同級生の男の子を呼び捨てにしたことなんてないし。



「...早く慣れろよ。俺程度で照れてたら翔和の時、大丈夫か?」