3年生にとっては最後の夏。



だから普通、1年生は出られないらしいんだけど、沙理ちゃんの実力が認められたから出ることになった。



本当にカッコいいよね。



夏のコンクールは必ず見に行かないと。



親友として沙理ちゃんの晴れ舞台を見に行かない手はない。



毎日、遅くまで学校に残って練習しているのを知ってる。



私も頑張らないと!



改めて気合をいれて教室を出ようとした。



その時、廊下から入ってきた誰かとぶつかった。



「...わっ、すいません!」



なんかこの感じ、デジャブじゃない?



「本当に君は...よくぶつかるね」



上から呆れたような声が聞こえてきた。