たぶん私が身構える必要はない。
私の普段の生活が彼にとっては新鮮なものだと思うから。
「最後にひとつだけ聞いてもいいですか?」
「いいよ。何?」
「どうして“普通”が知りたいんですか?」
「....全てを守りたいから」
私じゃない方向をまっすぐに見て朱雀翔和は言いきった。
その全てには一般庶民も含まれているんだろう。
だって彼はあの日本で1番と言っていいくらい有名な朱雀グループの1人息子で御曹司。
いずれは朱雀グループを継ぐことになる。
後継者となれば、日本の経済を動かすだけの力を自分は受け継いだことになる。
すごすぎて私には想像もつかないけれど。
彼がいるのはそれくらいにすごくて壮絶な世界なんだ。



