【完】王子様と呼ばれる彼は中身も完璧に王子様だった件




それ以外に彼と話したことなんてない。



朱雀さんは目立つ存在だから私が一方的に見かけたことはあるけど。



「あれ、今日は呼び捨てじゃないんだ?」



その一言でいくつかの疑問が解消された気がする。



きっと昨日のぶつかった出来事が朱雀さんの印象に残ってしまったこと。



それで彼が今日、わざわざ私の教室に来た....。



あの朱雀翔和を呼び捨てにする人なんていないから、印象に残ったのか、私が逃げ出したから印象に残ったのか。



どちらかは分からないけれど、そのどちらかが答えであることは明確。



「昨日は突然だったもので、思わず呼び捨てにしてしまったんです。失礼でしたよね。すいませんでした」



朱雀さんに向かって深くお辞儀をした。