「妃菜、行ってこい」



それだけ言って祥悟は私のそばから離れて舞台袖にはけてしまった。



舞台上に取り残された私....。



どうすればいいのか全く分からないし、気持ちが整理できてない。



とりあえず、同じ舞台上にいる翔和と向き合った。



「........!」



今日初めて翔和と瞳が交差した。



何の迷いもないまっすぐな瞳が私を射抜いている。



「妃菜、来てくれてありがとう」



いつもと変わらない柔らかな翔和の笑顔。



その笑顔を見るだけで心が落ち着く。



「翔和....どうして.....」



話したいことはたくさんあるのに、上手く言葉が出てこない。